前回は、「店舗ビジネスを成功させるマーケティングガイド」の初級編(基礎編)をご紹介しました。
今回は、もっと理解が深まるよう、デモ店舗を使って、具体的に解説します。
■デモ店舗情報
- 所在地:宮城県仙台市青葉区の仙台駅前
- メインターゲット:15歳〜35歳くらいまでの女性
- 事業形態:カフェ
- コンセプト:和菓子カフェ(和菓子を中心に、抹茶やコーヒーなどが飲める)
とてもよくありそうな設定ですね。
このカフェのメインターゲットは、高校生から30代半ばくらいまでの女性です。ターゲット層に向けた効果的なマーケティング戦略を考えるために、まずはターゲットとなる年齢層の人口データを見てみましょう。
■仙台市15歳から34歳までの人口データ(2020年)
(ソース:仙台市将来人口推計)
- 15歳:8,758人
- 16歳:9,302人
- 17歳:9,400人
- 18歳:11,841人
- 19歳:14,072人
- 20歳:13,724人
- 21歳:13,201人
- 22歳:12,790人
- 23歳:12,659人
- 24歳:12,296人
- 25歳:12,021人
- 26歳:11,520人
- 27歳:11,563人
- 28歳:12,060人
- 29歳:11,879人
- 30歳:12,295人
- 31歳:12,193人
- 32歳:12,862人
- 33歳:13,331人
- 34歳:13,184人
このデータから、仙台市には15歳から34歳の男女の人口は約24万人で、男女比率もあまり変わらないことから、女性をターゲットにした場合、比較的多くの人口(約12万人)が存在することが分かります。特に19歳から21歳の専門学校や大学生にあたる年齢層は特に人数も多く、非常に重要なターゲットゾーンとなります。
当然、仙台駅前は他の市町村や県外からの交流人口なども多い場所ですので、ターゲットとなり得る顧客数はもっと増えますが、まずは地盤となる地域の顧客数で戦略を組み立てます。
1. ターゲット市場の明確化
このカフェのターゲット市場は、仙台市内に住む15歳から34歳の女性です。このターゲット層は、特に若年層においてSNSの利用が活発であり、トレンドに敏感です。そのため、InstagramやTikTok、X(Twitter)などのSNSを使ったプロモーションは定石です。
2. 地域密着型マーケティング
仙台駅前という立地を最大限に活用し、地域密着型のマーケティングを展開します。仙台駅前は人通りが多く、特に通学や通勤で利用する若者やOLが集まる場所です。この立地を活かし、例えば以下のような戦略が考えられます。
- 学生割引: 高校生や大学生向けに割引を提供し、定期的に来店してもらえるような施策を行います。
- ローカルイベントへの参加: 仙台市内で開催されるイベントやフェスティバルに出店し、地元での認知度を高めます。
3. オンラインとオフラインの連携
若年層をターゲットにするなら、オンラインでのプレゼンス(存在感)も不可欠です。SNSでの情報発信を強化し、イベントや新商品の告知を行うことで、来店意欲を高めます。また、Google マイビジネスに店舗情報をしっかりと掲載し、検索結果に表示されやすくすることも大切です。
- SNSキャンペーン: フォトジェニックなカフェメニューや店内の写真をInstagramでシェアしてもらうキャンペーンを行います。特定のハッシュタグを使って投稿してもらい、その中から抽選でプレゼントを行うなど、オンラインとオフラインを連携させたプロモーションが効果的です。
4. 顧客体験の向上
仙台駅前のカフェで成功するためには、訪れたお客さんが「また来たい!」と思うような体験を提供することが重要です。
- 快適な店内環境: コンセプトに合ったインテリアや心地よいBGMを流し、リラックスできる空間を作ります。
- 特別なサービス: 例えば、特定の曜日に来店したお客さんにはデザートをサービスするといった、特別感を演出する施策を取り入れます。
5. データの活用
定期的に売上データや顧客データを分析し、どの施策が効果的だったかを把握することが大切です。例えば、学生割引を行った日やSNSキャンペーンを実施した期間の売上や来店者数を分析し、次のプロモーションに役立てることができます。
顧客人数 × 顧客単価 × 来店回数 = 売上 です。
結論
宮城県仙台市青葉区で、15歳から34歳の女性をターゲットにしたカフェを運営する場合、SNSを活用したオンラインマーケティングと地域密着型の戦略が鍵となります。また、訪れるお客さんに対して特別な体験を提供することで、リピーターを増やし、ビジネスの成長を促進することが可能です。データを活用して戦略を最適化し、継続的に成果を上げる取り組みを行いましょう。
いかがでしたか?「全部当たり前!普通!」と思った方も多いかもしれません。ですが、この「普通」のことを「きちんとやり切る」ことは実は難しいのです。
「普通」の話は面白くない!という方のために、ちょっと変わった視点でのマーケティング戦略を考えてみましょう。